氷上が頬をポリポリと掻いた。相手にならないから練習にやりがいを感じられないのか。
「あんな弱いやつらよりは、強い私の方がずっと役に立つとも！ククッ」
湯朝がそう言うと、氷上が心から喜んでうなずいた。
前から強くなりたいと言っている氷上だ。
「ちょっと、こっち来い」
俺はそんな湯朝の手を引いた。
「氷上さんの練習を手伝うのはいい。そこまではいいが、頼むから変なまねだけはしないでくれ。むやみにでしゃばるな。そうしないと手伝わないからな。
「ふんっ。解決師の仕事はリセットする前は私もしていたわ。いくらでもできる。それより、手伝ってくれるんでしょ？どうやって手伝うっていうの？」
「関連アイテムが出てくるまで待ってくれ」
「関連アイテム？」
「うん」
「ガチャのこと？」
「そう。君がここに渡って来たアイテムと似たようなものを手に入れればビンゴだから。とにかく、そんなアイテムが存在するから君がここに渡って来れたんだろ？」
「呆れた。いつになることやら」
「俺の場合は、良いアイテムをばんばん当てられる方法があるんだ。信じて待ってろ」
「なーにぃ～？それは何なの！どこにそんな方法があるのよ！すぐに共有して！」
「それは秘密だ。君もシステム的なことは秘密なんだろ？」
「うああああっ、ずるい！ずるい！」
「離れろ、こいつめ！とにかく、アイテムのために出かけてくるからおとなしくしてろ」
ずるいだと？どうせ、湯朝は知っても使えない方法だ。
俺の体を掴んで左右に揺らしながらずるいと連呼する湯朝を強制的に引き離した。
「とにかく、できるだけ立ち寄るよ。いろいろと複雑な状況だから。道場の方もそうだし」
「それはいいわ。私は歓迎よ！」

氷上が俺の頭を撫で始めた。
やることは増えたが。
これ1つ1つが繋がっているかもしれなかった。ゲームとは、そういうものだから。
あの湯朝が帰れなかったということが強制力の介入かもしれないし。
とにかく、だから、何か始まる前に最も重要なのは強化だ。
目の前の湯朝と引き分けではなく勝てる実力。
そのくらいになることで、もしまた他のプレイヤーが登場した時に対応できる。
今回のミッション解決で得たお金は10億だ。
さらに、湯朝の事件がかなり呆然と進行されたおかげで、10億を使わずに解決した。
だから、20億というお金が残っていた。強化するには十分なお金だ。
もちろん、そのためには九空が必要だ。
俺は、氷上の家から出るとすぐに九空に電話をかけた。
銃撃戦。
あちこちから銃弾が降り注いだ。
そんな中、思いがけない銃弾が白勢為記と木谷慶音(きやけいと)に向かって飛んできた。白勢が木谷を押し出すと、弾丸は白勢の胸板にめり込んでしまった。
ぐあああっ！
悲鳴と共に白勢が倒れた。木谷がそんな白勢の体を掴んで叫んだ。
「お前！一体どうして！家族のいるやつが、これは何のまねだ！」
「俺も……。避けられると思ったんだ。ゴホッゴホッ」
胸を貫通した銃弾。胸と口から血が流れ続けた。急所に当たったため、見込みがなさそうに見えた。木谷はそれを知っていながらも、戦友を諦められなかった。
「初めから俺が意地を張っただろ？こんな仕事……。傭兵のくせに何を祖国の秘密を渡せないというのか……」
白勢が懐から取り出した機密資料を木谷に手渡した。
「でも……。他国の傭兵として働くからとはいえ、自分の国籍を忘れることはできなった。すまない」
「俺も同意して仲間入りした仕事だから死ぬのは構わない！そんなこと言ってないで、呼吸を維持しろ！」
「無駄だ。心臓をやられた。だから……。これと……。家族を……。頼む」
そのように、木谷は1番仲の良い戦友を失ってしまった。

その场から逃げることには成功したが、
息子に渡してくれと言っていた腕时计を除いては、何も持って帰ることはできなかった。
その遗品でも家族に渡すために木谷は帰国した。
しかし。核心的技术を含んだ机密资料が他国に渡るのを阻止したのにも。それを认めてくれる人はいなかった。
[海外佣兵、テロリストに协力して死亡。]
むしろ、こんな记事の一文が全部だった。
一行の记事のせいで、俺の友人はただのテロリストの协力者となってしまった。
「**。马鹿なことを言うな！」
木谷は新闻を投げつけた。何度も関连机関を访ねたが、帰ってくる答えは冷たかった。
「上の人に会わせてください！」
「それはできません」
「この资料が必要ないというんですか？これは……。国益に関连した……」
「申し訳ございません」
木谷は呆れた。こうなったら、自分と友人は无駄事に命を捧げたも同然だった。つまり、无駄死にだ。
いや、それはどうでもいい。百歩譲って、そんなことはどうでもよかった。最も落胆したのは、テロリストの妻、息子となった友人の家族だった。
「仆のお父さんはテロリストじゃない！」
遗品を渡しに访れた时も。
友人の息子はそう言っていた。保険に入っていたからと言って、お金を渡すことは忘れなかった。お金はどうでもいい。お金は。友人は自分の代わりに死んだから、こうやって骗してでも体が丈夫である以上は、稼いで送ってあげればいいことだから。
しかし、友人の妻と息子が周りから苦しめられているのは我慢できなかった。
しかし、たかが海外佣兵出身。人を杀すことしか才能がない自分にできることは何もなかった。
ただ保険を仮定してお金を送ってあげることが全部。
そうしたある日。
木谷の隣に1人の女が现れた。制服を着た女子高生だった。その周りには黒いスーツを着た人たちを帯同していた。

「聞いたわ」
「はい？」
「実力が優れてるって？傭兵出身の中であなたほど多くの作戦を成功させた人はいないそうね？私に忠誠する警護員を募集してるところよ。退屈な仕事だけど、私の命を守る仕事だから、自分で直接選んでるの。私、人を見る目があると自負してるわ」
「そちらは一体どなた……」
「勝手に忠誠を捧げて。でも、裏切られた。退屈極まりないけど、その忠誠が気に入ったわ。だから、今からは私に忠誠して。こうして工事現場なんか駆け回って稼ぐお金の100倍あげるから」
「お断りします。あなたが誰なのかは存じませんが。警護は命懸けで行う仕事。それがプロですから」
「断る？今、断るって言った？」
「私がいないとダメな人たちがいます。死んでしまっては見守ることができないので困ります」
「それも聞いた。でも、あまりにもくだらない。つまらない感傷よ。黙って私の下に来て。勲章みたいなもの。お金で買えばいい話よ。わかった？」
「え？」
「あなたの友人に勲章と年金。そして、一生を保証するお金を支払うって言ってるの。とりあえず、名目は国からよ。その国を買収するのがまさにこの私。苦しめられることがなければ、あなたも必要ないってことでしょ？だから、才能を腐らせずに私の下で働いて。明日までに返事するのね。その後は、どんなまねをしても受け入れないから」
女はそう言って背を向けた。
そして、その日。
返事もしていないのに、友人は国のために死んだ功労を認められた。友人の息子は飛び跳ねて喜び、その妻は一日中涙を流した。
それは一種の救いだった。ただお金でなされた救援だが。
自分がいくらもがいても与えられなかった救援であり。木谷本人にも心の平和をもたらす救援だった。
島。
青い海がきらめく島でパーティーが開かれた。
もちろん、名前はパーティーだが、各国の富豪の会議場でもあった。
狂乱の島となる場所でもある。
島そのものがパーティー場である、この想像もできないパーティーに九空も参席していた。こんなところで繰り広げる裏工作こそ、最も堅実な資産だから。
しかし、九空はあまり機嫌がよくなかった。

「むかつく」
そう言いながら、その後近づいて来た米国の富豪とは笑いながら握手をした。
「でも、国際関係っていうのは重要だから。握手までは仕方ないっていうのがもっとむかつく」
「そ、そうですか？」
九空が自分の手を見つめながら言った。
他人との接触はそれほど気分がよくない。むしろ、闇がむずむずと湧き上がってくる。
子供の頃に閉じ込められた黒い部屋で数百万匹の闇の従者が自分をつかまえて離さなかった、そんな気分だ。
そんな九空のぼやきに警護1チーム長の木谷がただうなずいた。
「もちろん、ハグはだめ。米国の文化はそういうのがあるのよね？でも、私たちにはそんなのないから。それに、ハグしたら殺さないといけないし。だから、尚更ダメよ」
今まで自分を抱きしめた存在は全員死んでしまった。おじさん狩りという名前からしてもそうで。木谷は九空がばぜこんなことを言うのかを理解できなかった。独り言というのは確かだったが、そうとは言え疑問形だから答えないわけにもいかないため。
「それは、もちろんです。誰がお嬢様の体に恐れげもなく」
「そうでしょ？ハグする度にビジネスパートナーを殺すわけにはいかないから。むしろ、しない方がいいわよね。キキッ」
プロジェクトのためにしばらくの間、握手をしながら挨拶を交わした九空は、ついに人がいなくなったビーチパラソルのイスに寝転んで目を閉じた。
「今回のプロジェクトは。いくら稼ごうか？」
「それが、計算では……」
警護員の隣にいた秘書陣が損益計算を差し出そうとしたが、九空は手を払った。
「いいわ。聞いたところで退屈。やりたくないけど、だからって台無しにするのはプライドが傷つくから絶対に嫌だし。だから、仕方ないことってわけだけど。そうするほど本当につまらないし」
九空はそう言いながら頬を膨らませた。
「連れてくればよかったかな？」
誰を言ってるのかは明らかだ。しかし、木谷は何も言わなかった。とても敏感な話題だからだ。
「おじさんがさ、最近ちょっと乱暴なところがあったりするのよ」
九空はその言葉を最後にようやく口を閉じた。そして、しばし沈黙がやってきた。浜辺にも波の音だけが残ったが、何かを考えていた九空は木谷を見て再び口を開いた。

「あなた、私のために死ねる？私を守って命を失う。まあ、そういうの」
「当然ではありませんか。それが警護員の仕事です。お嬢様」
「だから、私に忠誠を尽くすってことでしょ？」
「それがプロではありませんか。私を初めてスカウトしに来られた時にお話しした通りです」
木谷が強くうなずいた。救ってくれた彼女を守るために警護員になった。友人がくれた命をかけるべき対象ができたのだ。だから、聞いたところで口が痛いだけの話。
「あなた、じゃあ私を愛してる？」
「え？そ、それはどういう……？」
その質問に木谷だけでなく、近くの警護員は全員慌てて互いに見つめ合った。ポーカーフェイスが瞬間的に崩れるほど。
「私のために死ぬのが当たり前なんでしょ」
「それは。犠牲にはいろんな種類があると思いますが……」
「まあ、おじさんもそうは言ってたわ。だから難しいのよ。全然わからない」
九空は誰かを愛すどころか、誰かについてこんなに考えたのも初めてだった。やってみたことも、誰かが教えてくれたこともない、その微妙な世界について九空は未知の感覚を覚えていた。
最近、彼女に変わった変化があるとすれば、無視していたその感覚をとても知りたくなったということ。
「私も結婚をした身ではないのでよくわかりませんが……」
「わかりませんが、何？何かあるの？」
「それは……。逆に考えてみたらどうでしょうか？」
「逆に？」
「はい。もしその相手がただ忠誠を目的に命を捧げているのであれば？」
「何が？あなたが忠誠を目的に命を捧げていることは当然じゃない？違う？」
「そ、そうです。私だけでなく、ここにいる全員がお嬢様に救ってもらった人たちです」
「それで？」
「いや、それが……。だからです。その、長谷川さんもそうだとしたら？お嬢様を守ることが、ただ私たちと同じ気持ちならどうなのか……。そんな話ですが。生意気に申し訳ありません！」
「おじさんがただプロだから……。私を守る？私が忠誠しろと言ったから私を守るって？」
彼に忠誠を要求したことはある。
かなり多い方だった。
おじさんはただ服従すればいいのだといつも言ってきた。
そのことを思い浮かべながら、九空は自分の髪の毛先をつまみ上げた。そして、鼻先に持って行きぐるぐる回した。そうしてるうちに、何かがかなり気に入らない表情で眉間にすっかりしわを寄せた。
「それは……。何か嫌かも……？」
まさにその瞬間。
ワンピース水着をきているのにも、手放さずにいた携帯が鳴り出した。

感觉要复活了

大佬就是nb外加+3

多谢搬运！ 想看后续 作者gkd！

大佬，请问生生肉网站的资源在哪里？可以私发给我一个链接吗？谢谢

感谢大佬