赤间游兎、演剧部所属。明るい性格と非常に高い演技力を持ち、周りからの人望も厚い。
使用する武器はデスサイズ。ただし、どんな相手であっても决してトドメはささない。
そんな仆の物语を始めるなら、どこからが良いだろう？仆が、赤间游兎の人生という名の台本を用意する前からだろうか。

昔の仆は、お世辞にも一绪にいて楽しい奴じゃなかった。性格が暗かったし、公园に行けば游具で游んでいる子どもたちを尻目にベンチでゲームをしているような、子どもらしくない子どもだった。
そんな冷めている仆とは反対に、弟は溢れんばかりの子どもらしさを持っていた。明るくて、いつも元気いっぱいに走り回っていて。
だからこそ、母さんは弟を选んだのかもしれない。
両亲が离婚した时、母さんは二人并んだ仆ら兄弟の、弟の手だけを取った。そして、そのまま逃げるように家を出て行ってしまって。その日から仆は、赤间游兎になった。
本当は知っているんだ。仆がこんなつまらない子どもなのは、生まれつき心臓に欠陥があるからだって。そのせいで他の子と同じように运动はできないし、母さんも自分じゃ仆の治疗费が払えないからって、身体も心も欠损なく生まれた弟だけを连れて出ていったんだって。
…それでも、置いていかれたのは仆のせいだから。母さんが泣いたのは仆がこんな身体で生まれたせいだから。父さんと母さんの喧哗の理由だって、仆の病気のせいだから。悪いのは仆だけだ。

だから嫌われないために、欠落なんてまるでないみたいに振舞って、仮面を作りあげて、自分さえ骗して、台本通りに人生を演じている。
それなのにあの子は、仆の仮面の内侧を见透かした上で、「笑ってください」なんて言って全てを赦してくれて。彼女みたいな真っ直ぐな子に出会うなんて、仆が、赤间游兎の人生という名の台本を书き上げた时には、思ってもみなかった。
台本のない日常は、仆の暗を照らし始めている。病気のことがみんなにバレるのも时间の问题だろう。それでも、まだまだやれるだろ？今日もなんとか骗し骗し生きていくことができる。それならば、この先にどんなに绝望的な未来しか待っていなかったとしても、仆はあの子の言う通りに笑ってやるよ。

赤间游兎が仆に成り代わるために起こすこのクーデターは、成功する筈なんてないと気付いていた。骗ってでも必要とされたいけれど、実际问题、この心臓の欠陥だけはどうしようもなく塞がらない事実だから。赤间游兎になんて、仆はどう足掻いてもなれない。自分には无理だと无気力に泣いた、そんな余计な感情は镰で剃いだ。いい加减にこんな茶番は终わらせてしまえば良いのかもしれないけれど、仆はすでに梦见るための过剰な演技に依存してしまっていた。こんな所じゃ终われない、もっと必要とされたい、普通の人と同じように青春したい！だって仆はまだ胸のドキドキの意味さえ知らないんだから。ひしめき合う感情と、汚れきってしまった过去の感伤。こんな仆のことを马鹿だと思うなら、好きなだけ笑ってくれればいいさ。

今日も仆は、身体の制约という锁に缚られながらも、无気力に无意味なクーデターを缲り返す。どんな相手でも决してトドメはささないわけじゃない。仆は、仆以外を杀さないだけだ。逆に言えば、仆自身の感情を、记忆を杀すためにこの镰はある。谁も仆のそばから去っていかないように、仆は过去の仆と、そしてこの病気と戦い続けよう。

以上が、自分を杀すためだけにその镰を振るう、游兎の话。
どうかみんなの素敌で无敌な青春の中に、赤间游兎が完璧に溶け込めていますように。

游兎くん……
こちらはNekoともします。
お友达ちになれますか？

:3 よろごんて~

喂你们两个是谁啦233