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【生肉】第243话 逃げるものと阻むもの

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「邪魔ですの! 押し通りますわ!!」 言葉通り、クズハちゃんは目の前の障害を力業で破壊した。 クロガネさんの研究所の内部には、人間の兵士よりも、機械的なセキュリティの方が多く配備されていた。 平たく言えばそれはオートロックのドアであったり、シリル大金庫で見たようなゴーレムのような防衛ロボットなのだけど、つまり全部高熱に弱い。 オマケにダークエルフたちを味方につけているとあっては、もう止められない。各々が鬱憤晴らしとばかりに魔法をばんばか撃ってくれるので、物がどんどん壊れていく。 ……やることがないですね。 勇んで前に出たはいいけれど、ぶっちゃけ僕がすることはたまに怪我をした人を回復させるくらいだったので、いつの間にかクズハちゃんの後ろに下がっていた。「アルジェさんはこの後でたくさん働くことになりますから、温存しておいてくださいな!」「まあ、外がひどいことになっているのはなんとなく分かります」 相対することを決めたとは言っても、玖音の面倒さはよく知っている。 この世界では超未来技術といってもいい機械文明を、クロガネさんは持ち込んで来ているのだ。しかもそれに魔法なども組み合わせて、『黒曜』という強力な魔具アーティファクトまで生み出している。 玖音では失敗作と呼ばれた僕でさえ、転生して異常なまでのチート能力を獲得しているのだ。すんなり勝つなんてことは無理だろう。 僕の回復魔法が役立つときがくる。そう思って今はクズハちゃんたちが障害を破壊してくれているのだから素直に甘えておこう。正直なところ面倒くさいし。「それにしてもお客人、こんなに派手に壊して良いのかねえ……?」「大丈夫です、たぶんこの世界の人たちにとってろくなことにならない研究をしていますから」 大事な研究成果だし、場合によってはこの世界の文明レベルを大きく上げることができるのだろうけれど、クロガネさんの様子からして危険なものばかりだろうから壊してしまった方が良いだろうという判断だ。 当然その分だけ歩みは遅れるのだけど、危ないものを放置して後で使われても厄介なので仕方が無い。「それにしても、ここまで人間の兵士を使った防衛がないとは……っ!」 危険を感じた瞬間に、身体の方が動いていた。 抜き放った刃が、飛来した一矢を捉えて叩き落とす。甲高い音が鳴り、全体の歩みが止まった。「……これは」「応。俺たちだ。万が一、脱走を企てられたときのために、俺たちがいるというわけだ。親父殿は皇帝の元に戻って、留守だからな」「……シバさん、ですか」 物陰からゆったりとした動きで現れたのは、猟犬部隊を率いる隊長核、シバさんだった。 三人一組での戦闘を得意とする猟犬部隊。シバさんの後ろには当然のようにスピッツさんとアキタさんがすでに臨戦態勢で構えていて、「まさか本当に奪還に来るとは思わなかったが……これはこれで楽しめそうだ」「おい、殺すなよアキタ。親父殿に叱られてしまうだろうが。……まあ、足の一本くらいは壊した方がよさそうだけど?」「……そういうことだ。大人しくするがいい、反乱分子ども。できなければ……俺たちが相手になる」 シバさんが構えるのは、僕が持つ『夢の睡憐』の姉妹刃。確か、名前は――「――無限の黒ずみ」「掃除が面倒くさそうな名前ですわね!?」「『無幻むげんの泉』だ!」 まさかの敵味方両方からツッコミが入った。「すみません、一回しか聞かなかったもので覚えられませんでした。その……無限の沈み?」「アルジェさん、アルジェさん。『無幻の泉』ですの……」「さてはわざとやってるだろ、お前……」「あ、大丈夫です、一度目はわざとではないので」 あれあれ、おかしいな。クズハちゃんもダークエルフの皆もシバさんたちも、とんでもないものを見るような目をしてる。お互いに敵なのに仲いいですね。 とにかく、あれは敵だ。それもクズハちゃんの尾獣分身と同等か、場合によってはそれ以上の連携を行える厄介な敵で、シバさんの手には僕の持っている『夢の睡憐』の姉妹刀がある。 恐らくは向こうの刃も、形の無いものを切断する能力があるのだろう。峰打ちを食らったとき、かなり打撃が響いた。 つまり霧や影になっても、あの刀なら僕を斬ることができるということだ。「スピッツの言うとおり足の一本……いや。それくらいではすぐに再生しそうだからな。四肢を切り落として、親父殿のところに連れて行くとしよう」「……やるしかなさそうですね」 さすがにこの三人を相手にするのは、僕とクズハちゃんでなくては不可能だろう。 ダークエルフのみんなが強いとは言っても、さすがに彼らほどではない。というか一度敗れたからこそ捕まっていたわけだし。 危険な相手で、おまけに武器も良いものに変わっている。クズハちゃんひとりに戦わせるわけにはいかない。「では――」「――待ちなっ!」 構えようとした瞬間に、聞き覚えのある声が飛んできた。 声の主はふたりの仲間を伴っていて、三人は唐突に、天上の通風口をぶち破って僕たちの前に降り立った。 そのまま三人は流れるようにポーズを決め、「鎖ガマのチワワ!」「爆弾のダックス!」「投げナイフのテリア!!」「芸人が来た……!!」「「「誰が芸人だぁ!!」」」 予想もしていなかった三人が、目の前に現れた。


IP属地:福建来自Android客户端1楼2019-12-04 14:19回复