『FF14』祖堅正慶氏、ATH-R70x商品企画者の鈴木弘益氏と現役作曲家が重要と考える、リモート制作の機材の要とは、
中文大意:FF14 的 祖坚正庆、ATH-R70x 产品规划师铃木弘益和的活跃的作曲家讨论了他们认为远程制作设备的关键所在。
『FF14』のサウンドを担う祖堅正慶氏、商品企画を担当した鈴木弘益氏、有名アイドルグループ等に楽曲を提供する三輪智也の3名で、オーディオテクニカ製品について対談を行いました。
中文大意:负责 FF14 音效的祖坚正庆、负责产品规划的铃木弘康和为著名偶像团体等提供音乐的三轮友也就铁三角产品展开对话。
スクウェア・エニックスが開発・運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)。単なるMMORPGに止まらない幅広いゲーム性や奥深いストーリーなど、未だ世界中でユーザーを增やし続ける本作ですが、その大きな魅力の一つが祖堅正慶氏の手掛ける音楽といえるでしょう。
今回は本作の開発現場でリファレンスモデル(スタッフ共通の基準)として採用されている、オーディオテクニカの「ATH-R70x」についてたっぷりとお話を伺うというインタビュー企画を敢行……という予定でしたが、やはり祖堅氏のサウンドクリエイティブや『FF14』のサウンドの話もたっぷり聞きたい!ということで、本稿では祖堅氏に楽曲制作の裏側について伺ったインタビューをお届けします。開発者はもちろん、『FF14』ファンも気になる祖堅氏のサウンドクリエイティブへのこだわりや開発環境、『暁月のフィナーレ』のお話まで盛りだくさんな内容になりました。
その楽曲制作を支えるオーディオテクニカの「ATH-R70x」についてお話いただいた内容とあわせてご覧いただくことでより深く『FF14』のサウンド制作、機材の重要性などが理解できるはずです。ぜひあわせてご覧ください。
中文大意:《最终幻想 14》(Final Fantasy XIV,以下简称 FF14)是由 Square Enix 开发和运营的一款大型多人在线角色扮演游戏。 该游戏以其广泛的游戏性和超越单纯 MMORPG 的深刻故事情节,不断吸引着全球越来越多的用户,而其中的一大亮点就是由祖坚正庆创作的音乐。
我们将对游戏开发过程中为什么使用的参考型号 Audio-Technica ATH-R70x(所有员工的共同标准)对 祖坚 进行采访。 同时我们也就音乐制作的幕后工作对祖坚进行采访。 我们还谈到了 祖坚对音效创意的承诺、开发环境以及 "Dawn Moon Finale "的故事,相信开发者和 "FF14 "的粉丝们都会对此感兴趣。
通过观看访谈以及对支持音乐制作的 Audio-Technica ATH-R70x 的讨论,可以更好地理解声音制作和设备对《FF14》的重要性。 敬请观看。
「ATH-R70x」はクリエイターならとりあえず買うべき
中文大意:无论如何,ATH-R70x 都是创作者的必备之选。
――率直にお聞きしますが、音楽制作においてATH-R70xを選んだ理由はなんだったのでしょうか。
祖堅氏(以下、敬称略):きっかけは、以前『ファイナルファンタジー14』の推奨プログラムで、オーディオテクニカさんが作られた「ATH-G1」というヘッドセットの検証を行った時に、こんなのもあるんですよ、と持って来られたうちの1つが「ATH-R70x」でした。開放型は珍しいなと思っていたものの、忙しくて眠らせていました(笑)。ある日聞いてみたらびっくりして、僕がイマーシブオーディオの開発現場に携わっていた時の話ですが、ヘッドホンをしても外してもサラウンド環境がイマーシブで再現される時って、ヘッドホンで鳴ってるのかスピーカーで鳴ってるのかわからない時があったんですよ。ガチガチにチューニングされた部屋でしたが、ヘッドホンを付けた状態で驚いたのはその時ぐらいでした。ATH-R70xを付けた時に、スピーカーの音が聞こえてると最初思っちゃったぐらい、聞こえ方がヘッドホンじゃなかったんですよ。スピーカーから鳴る音とヘッドホンから鳴る音って絶対的に違うんですけど、それが同じなんですよ。何これ!?っていう感じだったんです。制作環境的にスピーカーを鳴らせない時が発生するのですが、ふと「ATH-R70x」でモニタリングできるんじゃないかな?って思って使ってみたら、もうこれスピーカーいらないじゃんみたいな。それ以来手放せなくなりましたね。きっと言葉だと全く伝わらないんですけど、本当にスピーカーと同じように聞こえるんですよ!
――仕組み的にはどうしてそのように聞こえるんでしょうか?
鈴木氏(以下、敬称略):どうしてなんでしょうね?
――(一同爆笑)
中文大意:铃木弘益问祖坚,为什么选择用ATH-R70X制作音乐,祖坚回答,之前为FF14测试铁三角ATH-G1的时候铁三角也带来了ATH-R70X,但是因为比较忙一直没有测试,有一天使用过ATH-R70X后,他感觉很惊讶,因为ATH-R70X让分不清自己是在使用耳机还是监听音箱,因为ATH-R70X听起来的效果和监听音箱效果很相似,但是因为有时候,他无法使用监听音箱,所以他决定用ATH-R70X来监听并问铃木弘益为什么会这样?
鈴木:専門用語になってしまうのですが、祖堅さんが仰った“ヘッドホンで聴くとどうしても音が外に出てこない”という感覚は、ヘッドホンにありがちな頭内定位というもので、頭の中で音が鳴ってしまうのが2chのステレオヘッドホンでは必ずあることなんです。それを気持ち悪いと感じる主にヨーロッパの方々の中には、特にベテランのサウンドエンジニアの方々にヘッドホンを敬遠される方がいらっしゃって、彼らの中には開放型のことをイヤスピーカーと呼ばれる方もまだいらっしゃいます。それが祖堅さんの言われたことと繋がっているんだと思います。
祖堅:そうですね。さっきのインタビューで、音楽と効果音は聞き方が違うと言いましたが、まさにそれですよね。頭の中で定位しても右と左の感覚って絵からも説明されるから気持ち悪くないんですよ。でも音楽ってここで鳴るんじゃなくて体全体で鳴るというか、そういう方が聞きやすいというかすんなり入ってくるので、その違いはすごくあるのかもしれないですね。楽曲を作る時は頭の中で音楽を聴くというよりは体全体で聴く状態にした方が作りやすいので、そういった状況で制作の最終工程ではスピーカーで鳴らしたいという欲求が強くなるんですよ。
でも特に今の状況だとなかなかそうもいかないし、どうしても鳴らせない!ってなった時に、ATH-R70xだと全てが解決するんです。例えばちゃんと鳴らせる環境を作るにはお金をかけないといけないですし、部屋だったら反射で四隅がキンキンするから遮音板を貼ろうか……とか面倒なんですけど、ATH-R70xはぽこっとはめるだけ。もうこれでいいじゃん!っていうくらいに不思議なヘッドホンですね(笑)
鈴木:空気を通さないと気持ち的に伝わらないというところに大きなヒントがあると思っています。開放型はまず密閉されていないので、外側の空気を自由に使ってドライバユニットから音を伝えるという仕組みです。密閉型の少量の空気を動かすのではなくて、外側の自然なの空気を使って伝えているのでエモーショナルな部分が伝わるのではないでしょうか。
祖堅:そうなんですよね。あと、開放型のヘッドホンだと外から「おい!」って呼ばれても聞こえるから便利なんですよ(笑)。あるあるなんですけど、製作中に密閉型のヘッドホンで集中していると外の音が聞こえないので、会議の時間のアラームが鳴っていても全然聞こえなくて気付かないんですよ。なのでサウンド部のメンバーは会議に遅れる奴が多い(笑)。もちろん時間にルーズというのももちろんあるんですけど、密閉型のヘッドホンで作業していることが多いから、集中すると時間がばーって流れていって、気付いた時には遅れちゃっていたりということもあるわけです。
なにはともあれ、自然にスピーカーで聞いている感覚でヘッドホンで聞けるっていうのはすごい特徴的で、音楽を聴く環境としては優れているなと思います。
中文大意:铃木告诉祖坚,耳机一般会有“颅内定位”的问题,声音会和音箱的感觉不同,所以不少欧洲音响工程师不喜欢用耳机。
祖坚说,耳机和音箱听起来感受不同,主要乐器的定位感觉不同,耳机听起来感觉定位不正确,但是ATH-R70X可以解决这个问题,而且你不用花很多钱去创造一个可以正常播放声音的房间。
铃木认为:开放式耳机接触空气较多,声音更悦耳,这点和音箱相似
祖坚认同这个观点,还说了开放式耳机另一个好处,就是更容易被提醒,不会错过会议。他认为耳机可以像音箱听音乐一样自然,这很好。
――ヘッドホンで聴かなければならない状況というのは、コロナ禍によって生まれている部分もあるのでしょうか?
祖堅:そうですね。あとは制約の中で作らなきゃならないクリエイターも多いと思います。幸い僕らはサウンド部という部が存在しているので、音をバッキンバッキン鳴らしても文句言う人はそんなにいません。ただ、サウンド部が存在しない会社や、1人で全てをやらなきゃならない開発者も結構多いんですよね。それで周りはプログラマーやデザイナー、プランナーがいるとか防音設備がない自宅などで作業していると、1人が音をばーって鳴らすと迷惑じゃないですか(笑)。でもスピーカーで確認したいなってケースは多々あるわけで、「ATH-R70x」はそれを解決してくれると思います。
あと個人的なことですが、病気もあって入院しつつ作業していたわけですが、もちろん病室ってでスピーカーを持ち込んで鳴らせないですよね。もしそんなことしてたら何してんだよお前っていう(笑)。そんな環境でも、すごい役立って助かりました。もちろん、コロナ禍という現在の状況で自宅で音を出せないとかスピーカーを使えないっていうスタッフも結構多い。「でもスピーカーで鳴らしたいんだよ」というメンバーには全員「ATH-R70x」を導入しました。正直なところ結構メンバーの数も多いのですが、これについては必要な投資だったと思っています。だってスピーカーセットと遮音材を用意して各個人の制作環境を整えるより遥かに低コストで実現できますからね。正直サウンドクリエイターとしてはみんな買えばいいのにって思いますね。こんな良い製品があるんだったら一旦持っておけばいいじゃんというくらい良い製品です。
ところで、開放型のヘッドホンって低音感がない製品が多い中、ATH-R70xは下から上まできっちり出ていて、あの大きさのユニットでどうやって実現されてるんですか……?
――(一同爆笑)
鈴木:そうですね……。その話をすると1日じゃ足りないんですけど、開放型のヘッドホンの歴史って、Sennheiserさんとかbeyerdynamicさんとか、ヨーロッパの元々は開放型ヘッドホンを主製品にされていた方々が先駆者としていらっしゃって、後発のオーディオテクニカとしては、その方々の前髪を掴もうとずーっと、かれこれ20数年やっていたんですが、なかなか掴めませんでした。あまり知られていないと思うのですが実は弊社では初代のヘッドホンから数えると4~5世代くらい開放型ヘッドホンの試行錯誤を重ねています。ATH-R70xをやろうと言い出したのは実は私なんですけど、その時ATH-M50という、現在では世界中のプロの方々に重宝していただいている、密閉型のモニターヘッドホンがありました。
三輪:僕が今使っているやつの1世代前の製品ですね。
祖堅:おぉ。
鈴木:ありがとうございます。ATH-M50という製品は、歌っている方々、演奏している方々のモチベーションにプラスになる音質でなおかつモニターヘッドホンの基本である、モニターしたい音がしっかりととらえやすいという、当時、開発を担当した引退間際のベテランエンジニアが「これが最後の担当機種になるから、自分のキャリア全てで具現化可能なモニターヘッドホンを作る!」って言って出来たヘッドホンです。その人が残していった遺産を我々が引き継いで、ATH-M50からATH-M50xに進化させ、オーディオテクニカのスタジオモニターという地盤ができてきました。
そういった地盤ができていたからこその話ですが、私が「開放型のモニターをやらせてほしい」と会社に直訴したんです。オーディオテクニカはドライバユニットを自社で設計・生産しているいまどきのヘッドホン・マイクロホンメーカーとしては珍しい会社なんですが、その開発の最終段階で煮詰まってしまった際に担当のチーフエンジニアといろいろ話していた時に、私の何気ない一言をエンジニアが拾って、そこから2種類できた試作品の1つが、今世の中に出ているATH-R70xなんです。ただ、その時のどんな会話がヒントになったのかは定かでないので、先ほど祖堅さんから質問があった「どうしてこの音が出るのか」というのは正確には誰も答えられないんです(笑)。
ちなみに開放型のヘッドホンは低域が出ないという声はよく耳にしますが、それは世の中のヘッドホンのエンジニアからすると、本物の開放型のヘッドホンではないからということになってしまいます。
中文大意:铃木问祖坚,之所以用耳机监听是什么原因.
祖坚说是因为生病住院期间无法使用监听音箱,所以使用ATH-R70x创作,它还推荐那些条件有限的创作者使用R70X,这比准备一套监听音箱和隔音材料便宜的多。许多开放式耳机都缺乏低音,但是ATH-R70X却拥有完整的低音表现。
然后铃木就开始吹自己为了赶上拜亚森海才研发了R70X,还用M50给自己装了个B
这时作曲家三轮乱入进来说他用的就是m50x
然后铃木又开始用m50x装B,说m50x为铁三角录音监听耳机奠定了基础,正因为有基础了,所以才有ATH-R70X
祖堅氏・三輪:へー。
鈴木:スピーカーもそうですけど、色んな方式があって色々な音が出せる。ヘッドホンも、音だけで言えば密閉型が出せて開放型はこの音が出せないというのは理屈が通らないんですね。しっかり振動板を動かして、空気の動きをコントロールできれば、必ずその通りの音が出るはずなんです。なんですが、どこかでロスが起きたりコントロールが不十分だったりで音にならない、という話を開発当時にもしてた気がするんですよね……。
祖堅:その理論で真面目にやってもどうにかならないところをどうにかしてできたのが「ATH-R70x」だと(笑)
鈴木:ATH-R70xリリースの数年後に弊社開放型フラッグシップモデルの「ATH-ADX5000」という製品をリリースさせて頂いたのですが、「ATH-R70x」の経験値が活かせたので、開放型フラッグシップが出来たということになります。何かが引き継がれていったのは確かなのですが、「ATH-R70x」の低域がピシッと決まった時に、私が何を言って、何をエンジニアが受け取ったのかは、今もって時々飲みながら話しても「なんだったかねぇ……」ってなります(笑)
三輪:オーディオテクニカって、DJシリーズ然り、Mシリーズ然り、密閉型を中心に作られていると思うんですが、やっぱりATH-R70xを作るというのはすごいチャレンジだったんですか?
鈴木:いえいえ、そう思われがちなんですけど、もう何年作ってるんだろう……?40年以上開放型のヘッドホンは自社ブランドで手がけておりまして、最初にメジャーになったのは密閉型なんですが、開放型も当初から手がけていたんです。ただ、ヘッドホンってどうしても今みたいに市民権を得る前は、オーディオコンポセットのおまけで付いてくるというような扱いでした。日本の住宅事情によりスピーカーで音が鳴らせない時に、オーディオセットとかミニコンポで音楽を漏らさないで聴くようについてきた「おまけ」だったんです。なので密閉型が日本の中ではヘッドホンとして認識されているのかなと思います。
祖堅:割とゲーマーは国境がないじゃないですか。そういう意味ではゲーマーも密閉型一択ですよね。
鈴木:そうなんですよね。でも「ATH-AD700x」という開放型のヘッドホンがあって、我々10年近く作り続けているのですが、ずっと今現在も一部地域向けに販売が続いています。というのも、とある地域のゲーマーの方々が、使い続けたいから絶対にやめないでくれと要望してくれていて、とあるゲームタイトルのローカルトーナメントで使われているそうなのですが、どうしてもこのヘッドホンじゃないと定位が取れないそうです。とても売れているわけではないのですが、ディスコンさせてもらえませんでした(笑)
祖堅:それは良いことじゃないですか(笑)
三輪:世界中の人の耳を支えていると言っても過言じゃないですよね。
鈴木:結構ワールドワイドでお役に立てているみたいなのですが、なかなかメジャーになれないという(笑)。もっとマーケティングしていきたいなと思っています。
祖堅:制作の現場としては右に倣え文化が多いじゃないですか。とりあえずPro Toolsがあります、GENELECがありますみたいな。それって日本ぐらいじゃないのかな。各国に行くとそのスタジオに最適化されたものが置いてあるのに、日本はこれが置いてないとダメなスタジオみたいな雰囲気がありますよね。逆にそういったカルチャーを逆手にとって、「ATH-R70x」をデファクトスタンダードにしちゃえばいいじゃないですか。
中文大意:铃木认为耳机和音箱一样可以产生各种声音,可以通过调整振膜和空气流动获得同样的效果。
祖坚认为R70X就是这一理论的成果。
铃木说:之后的开放式旗舰ATH-ADX5000也是利用ATH-R70X上获得经验开发的,还因为R70X的低频小得意了一下
作曲家三轮这时候乱入问:之前铁三角的监听都是封闭式的,生产r70x挑战大吗?
铃木回答:我们已经有40多年耳机生产历史,也有开放式耳机的生产经验, 封闭式耳机受欢迎是因为住房条件不适合使用音箱造成的,而封闭式耳机不漏音。但是有一款开放式耳机AD700X被用于某款游戏的比赛专用耳机,已经生产了10年,销量不高,但是用户们不许他们停产。我们也想赚钱
祖坚表示:日本制作行业有很多跟风现象,国外工作室有自己专有工具,他希望日本工作室可以把R70X作为标准工具
中文大意:FF14 的 祖坚正庆、ATH-R70x 产品规划师铃木弘益和的活跃的作曲家讨论了他们认为远程制作设备的关键所在。
『FF14』のサウンドを担う祖堅正慶氏、商品企画を担当した鈴木弘益氏、有名アイドルグループ等に楽曲を提供する三輪智也の3名で、オーディオテクニカ製品について対談を行いました。
中文大意:负责 FF14 音效的祖坚正庆、负责产品规划的铃木弘康和为著名偶像团体等提供音乐的三轮友也就铁三角产品展开对话。
スクウェア・エニックスが開発・運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)。単なるMMORPGに止まらない幅広いゲーム性や奥深いストーリーなど、未だ世界中でユーザーを增やし続ける本作ですが、その大きな魅力の一つが祖堅正慶氏の手掛ける音楽といえるでしょう。
今回は本作の開発現場でリファレンスモデル(スタッフ共通の基準)として採用されている、オーディオテクニカの「ATH-R70x」についてたっぷりとお話を伺うというインタビュー企画を敢行……という予定でしたが、やはり祖堅氏のサウンドクリエイティブや『FF14』のサウンドの話もたっぷり聞きたい!ということで、本稿では祖堅氏に楽曲制作の裏側について伺ったインタビューをお届けします。開発者はもちろん、『FF14』ファンも気になる祖堅氏のサウンドクリエイティブへのこだわりや開発環境、『暁月のフィナーレ』のお話まで盛りだくさんな内容になりました。
その楽曲制作を支えるオーディオテクニカの「ATH-R70x」についてお話いただいた内容とあわせてご覧いただくことでより深く『FF14』のサウンド制作、機材の重要性などが理解できるはずです。ぜひあわせてご覧ください。
中文大意:《最终幻想 14》(Final Fantasy XIV,以下简称 FF14)是由 Square Enix 开发和运营的一款大型多人在线角色扮演游戏。 该游戏以其广泛的游戏性和超越单纯 MMORPG 的深刻故事情节,不断吸引着全球越来越多的用户,而其中的一大亮点就是由祖坚正庆创作的音乐。
我们将对游戏开发过程中为什么使用的参考型号 Audio-Technica ATH-R70x(所有员工的共同标准)对 祖坚 进行采访。 同时我们也就音乐制作的幕后工作对祖坚进行采访。 我们还谈到了 祖坚对音效创意的承诺、开发环境以及 "Dawn Moon Finale "的故事,相信开发者和 "FF14 "的粉丝们都会对此感兴趣。
通过观看访谈以及对支持音乐制作的 Audio-Technica ATH-R70x 的讨论,可以更好地理解声音制作和设备对《FF14》的重要性。 敬请观看。
「ATH-R70x」はクリエイターならとりあえず買うべき
中文大意:无论如何,ATH-R70x 都是创作者的必备之选。
――率直にお聞きしますが、音楽制作においてATH-R70xを選んだ理由はなんだったのでしょうか。
祖堅氏(以下、敬称略):きっかけは、以前『ファイナルファンタジー14』の推奨プログラムで、オーディオテクニカさんが作られた「ATH-G1」というヘッドセットの検証を行った時に、こんなのもあるんですよ、と持って来られたうちの1つが「ATH-R70x」でした。開放型は珍しいなと思っていたものの、忙しくて眠らせていました(笑)。ある日聞いてみたらびっくりして、僕がイマーシブオーディオの開発現場に携わっていた時の話ですが、ヘッドホンをしても外してもサラウンド環境がイマーシブで再現される時って、ヘッドホンで鳴ってるのかスピーカーで鳴ってるのかわからない時があったんですよ。ガチガチにチューニングされた部屋でしたが、ヘッドホンを付けた状態で驚いたのはその時ぐらいでした。ATH-R70xを付けた時に、スピーカーの音が聞こえてると最初思っちゃったぐらい、聞こえ方がヘッドホンじゃなかったんですよ。スピーカーから鳴る音とヘッドホンから鳴る音って絶対的に違うんですけど、それが同じなんですよ。何これ!?っていう感じだったんです。制作環境的にスピーカーを鳴らせない時が発生するのですが、ふと「ATH-R70x」でモニタリングできるんじゃないかな?って思って使ってみたら、もうこれスピーカーいらないじゃんみたいな。それ以来手放せなくなりましたね。きっと言葉だと全く伝わらないんですけど、本当にスピーカーと同じように聞こえるんですよ!
――仕組み的にはどうしてそのように聞こえるんでしょうか?
鈴木氏(以下、敬称略):どうしてなんでしょうね?
――(一同爆笑)
中文大意:铃木弘益问祖坚,为什么选择用ATH-R70X制作音乐,祖坚回答,之前为FF14测试铁三角ATH-G1的时候铁三角也带来了ATH-R70X,但是因为比较忙一直没有测试,有一天使用过ATH-R70X后,他感觉很惊讶,因为ATH-R70X让分不清自己是在使用耳机还是监听音箱,因为ATH-R70X听起来的效果和监听音箱效果很相似,但是因为有时候,他无法使用监听音箱,所以他决定用ATH-R70X来监听并问铃木弘益为什么会这样?
鈴木:専門用語になってしまうのですが、祖堅さんが仰った“ヘッドホンで聴くとどうしても音が外に出てこない”という感覚は、ヘッドホンにありがちな頭内定位というもので、頭の中で音が鳴ってしまうのが2chのステレオヘッドホンでは必ずあることなんです。それを気持ち悪いと感じる主にヨーロッパの方々の中には、特にベテランのサウンドエンジニアの方々にヘッドホンを敬遠される方がいらっしゃって、彼らの中には開放型のことをイヤスピーカーと呼ばれる方もまだいらっしゃいます。それが祖堅さんの言われたことと繋がっているんだと思います。
祖堅:そうですね。さっきのインタビューで、音楽と効果音は聞き方が違うと言いましたが、まさにそれですよね。頭の中で定位しても右と左の感覚って絵からも説明されるから気持ち悪くないんですよ。でも音楽ってここで鳴るんじゃなくて体全体で鳴るというか、そういう方が聞きやすいというかすんなり入ってくるので、その違いはすごくあるのかもしれないですね。楽曲を作る時は頭の中で音楽を聴くというよりは体全体で聴く状態にした方が作りやすいので、そういった状況で制作の最終工程ではスピーカーで鳴らしたいという欲求が強くなるんですよ。
でも特に今の状況だとなかなかそうもいかないし、どうしても鳴らせない!ってなった時に、ATH-R70xだと全てが解決するんです。例えばちゃんと鳴らせる環境を作るにはお金をかけないといけないですし、部屋だったら反射で四隅がキンキンするから遮音板を貼ろうか……とか面倒なんですけど、ATH-R70xはぽこっとはめるだけ。もうこれでいいじゃん!っていうくらいに不思議なヘッドホンですね(笑)
鈴木:空気を通さないと気持ち的に伝わらないというところに大きなヒントがあると思っています。開放型はまず密閉されていないので、外側の空気を自由に使ってドライバユニットから音を伝えるという仕組みです。密閉型の少量の空気を動かすのではなくて、外側の自然なの空気を使って伝えているのでエモーショナルな部分が伝わるのではないでしょうか。
祖堅:そうなんですよね。あと、開放型のヘッドホンだと外から「おい!」って呼ばれても聞こえるから便利なんですよ(笑)。あるあるなんですけど、製作中に密閉型のヘッドホンで集中していると外の音が聞こえないので、会議の時間のアラームが鳴っていても全然聞こえなくて気付かないんですよ。なのでサウンド部のメンバーは会議に遅れる奴が多い(笑)。もちろん時間にルーズというのももちろんあるんですけど、密閉型のヘッドホンで作業していることが多いから、集中すると時間がばーって流れていって、気付いた時には遅れちゃっていたりということもあるわけです。
なにはともあれ、自然にスピーカーで聞いている感覚でヘッドホンで聞けるっていうのはすごい特徴的で、音楽を聴く環境としては優れているなと思います。
中文大意:铃木告诉祖坚,耳机一般会有“颅内定位”的问题,声音会和音箱的感觉不同,所以不少欧洲音响工程师不喜欢用耳机。
祖坚说,耳机和音箱听起来感受不同,主要乐器的定位感觉不同,耳机听起来感觉定位不正确,但是ATH-R70X可以解决这个问题,而且你不用花很多钱去创造一个可以正常播放声音的房间。
铃木认为:开放式耳机接触空气较多,声音更悦耳,这点和音箱相似
祖坚认同这个观点,还说了开放式耳机另一个好处,就是更容易被提醒,不会错过会议。他认为耳机可以像音箱听音乐一样自然,这很好。
――ヘッドホンで聴かなければならない状況というのは、コロナ禍によって生まれている部分もあるのでしょうか?
祖堅:そうですね。あとは制約の中で作らなきゃならないクリエイターも多いと思います。幸い僕らはサウンド部という部が存在しているので、音をバッキンバッキン鳴らしても文句言う人はそんなにいません。ただ、サウンド部が存在しない会社や、1人で全てをやらなきゃならない開発者も結構多いんですよね。それで周りはプログラマーやデザイナー、プランナーがいるとか防音設備がない自宅などで作業していると、1人が音をばーって鳴らすと迷惑じゃないですか(笑)。でもスピーカーで確認したいなってケースは多々あるわけで、「ATH-R70x」はそれを解決してくれると思います。
あと個人的なことですが、病気もあって入院しつつ作業していたわけですが、もちろん病室ってでスピーカーを持ち込んで鳴らせないですよね。もしそんなことしてたら何してんだよお前っていう(笑)。そんな環境でも、すごい役立って助かりました。もちろん、コロナ禍という現在の状況で自宅で音を出せないとかスピーカーを使えないっていうスタッフも結構多い。「でもスピーカーで鳴らしたいんだよ」というメンバーには全員「ATH-R70x」を導入しました。正直なところ結構メンバーの数も多いのですが、これについては必要な投資だったと思っています。だってスピーカーセットと遮音材を用意して各個人の制作環境を整えるより遥かに低コストで実現できますからね。正直サウンドクリエイターとしてはみんな買えばいいのにって思いますね。こんな良い製品があるんだったら一旦持っておけばいいじゃんというくらい良い製品です。
ところで、開放型のヘッドホンって低音感がない製品が多い中、ATH-R70xは下から上まできっちり出ていて、あの大きさのユニットでどうやって実現されてるんですか……?
――(一同爆笑)
鈴木:そうですね……。その話をすると1日じゃ足りないんですけど、開放型のヘッドホンの歴史って、Sennheiserさんとかbeyerdynamicさんとか、ヨーロッパの元々は開放型ヘッドホンを主製品にされていた方々が先駆者としていらっしゃって、後発のオーディオテクニカとしては、その方々の前髪を掴もうとずーっと、かれこれ20数年やっていたんですが、なかなか掴めませんでした。あまり知られていないと思うのですが実は弊社では初代のヘッドホンから数えると4~5世代くらい開放型ヘッドホンの試行錯誤を重ねています。ATH-R70xをやろうと言い出したのは実は私なんですけど、その時ATH-M50という、現在では世界中のプロの方々に重宝していただいている、密閉型のモニターヘッドホンがありました。
三輪:僕が今使っているやつの1世代前の製品ですね。
祖堅:おぉ。
鈴木:ありがとうございます。ATH-M50という製品は、歌っている方々、演奏している方々のモチベーションにプラスになる音質でなおかつモニターヘッドホンの基本である、モニターしたい音がしっかりととらえやすいという、当時、開発を担当した引退間際のベテランエンジニアが「これが最後の担当機種になるから、自分のキャリア全てで具現化可能なモニターヘッドホンを作る!」って言って出来たヘッドホンです。その人が残していった遺産を我々が引き継いで、ATH-M50からATH-M50xに進化させ、オーディオテクニカのスタジオモニターという地盤ができてきました。
そういった地盤ができていたからこその話ですが、私が「開放型のモニターをやらせてほしい」と会社に直訴したんです。オーディオテクニカはドライバユニットを自社で設計・生産しているいまどきのヘッドホン・マイクロホンメーカーとしては珍しい会社なんですが、その開発の最終段階で煮詰まってしまった際に担当のチーフエンジニアといろいろ話していた時に、私の何気ない一言をエンジニアが拾って、そこから2種類できた試作品の1つが、今世の中に出ているATH-R70xなんです。ただ、その時のどんな会話がヒントになったのかは定かでないので、先ほど祖堅さんから質問があった「どうしてこの音が出るのか」というのは正確には誰も答えられないんです(笑)。
ちなみに開放型のヘッドホンは低域が出ないという声はよく耳にしますが、それは世の中のヘッドホンのエンジニアからすると、本物の開放型のヘッドホンではないからということになってしまいます。
中文大意:铃木问祖坚,之所以用耳机监听是什么原因.
祖坚说是因为生病住院期间无法使用监听音箱,所以使用ATH-R70x创作,它还推荐那些条件有限的创作者使用R70X,这比准备一套监听音箱和隔音材料便宜的多。许多开放式耳机都缺乏低音,但是ATH-R70X却拥有完整的低音表现。
然后铃木就开始吹自己为了赶上拜亚森海才研发了R70X,还用M50给自己装了个B
这时作曲家三轮乱入进来说他用的就是m50x
然后铃木又开始用m50x装B,说m50x为铁三角录音监听耳机奠定了基础,正因为有基础了,所以才有ATH-R70X
祖堅氏・三輪:へー。
鈴木:スピーカーもそうですけど、色んな方式があって色々な音が出せる。ヘッドホンも、音だけで言えば密閉型が出せて開放型はこの音が出せないというのは理屈が通らないんですね。しっかり振動板を動かして、空気の動きをコントロールできれば、必ずその通りの音が出るはずなんです。なんですが、どこかでロスが起きたりコントロールが不十分だったりで音にならない、という話を開発当時にもしてた気がするんですよね……。
祖堅:その理論で真面目にやってもどうにかならないところをどうにかしてできたのが「ATH-R70x」だと(笑)
鈴木:ATH-R70xリリースの数年後に弊社開放型フラッグシップモデルの「ATH-ADX5000」という製品をリリースさせて頂いたのですが、「ATH-R70x」の経験値が活かせたので、開放型フラッグシップが出来たということになります。何かが引き継がれていったのは確かなのですが、「ATH-R70x」の低域がピシッと決まった時に、私が何を言って、何をエンジニアが受け取ったのかは、今もって時々飲みながら話しても「なんだったかねぇ……」ってなります(笑)
三輪:オーディオテクニカって、DJシリーズ然り、Mシリーズ然り、密閉型を中心に作られていると思うんですが、やっぱりATH-R70xを作るというのはすごいチャレンジだったんですか?
鈴木:いえいえ、そう思われがちなんですけど、もう何年作ってるんだろう……?40年以上開放型のヘッドホンは自社ブランドで手がけておりまして、最初にメジャーになったのは密閉型なんですが、開放型も当初から手がけていたんです。ただ、ヘッドホンってどうしても今みたいに市民権を得る前は、オーディオコンポセットのおまけで付いてくるというような扱いでした。日本の住宅事情によりスピーカーで音が鳴らせない時に、オーディオセットとかミニコンポで音楽を漏らさないで聴くようについてきた「おまけ」だったんです。なので密閉型が日本の中ではヘッドホンとして認識されているのかなと思います。
祖堅:割とゲーマーは国境がないじゃないですか。そういう意味ではゲーマーも密閉型一択ですよね。
鈴木:そうなんですよね。でも「ATH-AD700x」という開放型のヘッドホンがあって、我々10年近く作り続けているのですが、ずっと今現在も一部地域向けに販売が続いています。というのも、とある地域のゲーマーの方々が、使い続けたいから絶対にやめないでくれと要望してくれていて、とあるゲームタイトルのローカルトーナメントで使われているそうなのですが、どうしてもこのヘッドホンじゃないと定位が取れないそうです。とても売れているわけではないのですが、ディスコンさせてもらえませんでした(笑)
祖堅:それは良いことじゃないですか(笑)
三輪:世界中の人の耳を支えていると言っても過言じゃないですよね。
鈴木:結構ワールドワイドでお役に立てているみたいなのですが、なかなかメジャーになれないという(笑)。もっとマーケティングしていきたいなと思っています。
祖堅:制作の現場としては右に倣え文化が多いじゃないですか。とりあえずPro Toolsがあります、GENELECがありますみたいな。それって日本ぐらいじゃないのかな。各国に行くとそのスタジオに最適化されたものが置いてあるのに、日本はこれが置いてないとダメなスタジオみたいな雰囲気がありますよね。逆にそういったカルチャーを逆手にとって、「ATH-R70x」をデファクトスタンダードにしちゃえばいいじゃないですか。
中文大意:铃木认为耳机和音箱一样可以产生各种声音,可以通过调整振膜和空气流动获得同样的效果。
祖坚认为R70X就是这一理论的成果。
铃木说:之后的开放式旗舰ATH-ADX5000也是利用ATH-R70X上获得经验开发的,还因为R70X的低频小得意了一下
作曲家三轮这时候乱入问:之前铁三角的监听都是封闭式的,生产r70x挑战大吗?
铃木回答:我们已经有40多年耳机生产历史,也有开放式耳机的生产经验, 封闭式耳机受欢迎是因为住房条件不适合使用音箱造成的,而封闭式耳机不漏音。但是有一款开放式耳机AD700X被用于某款游戏的比赛专用耳机,已经生产了10年,销量不高,但是用户们不许他们停产。我们也想赚钱
祖坚表示:日本制作行业有很多跟风现象,国外工作室有自己专有工具,他希望日本工作室可以把R70X作为标准工具