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この時期によく用いられることわざに「女心と秋の空」がある。だがこの言葉、本来は「男心と秋の空」なのだそうだ。あれこれ辞書をめくると確かに、男心のほうがもともとの形、とある。時代の流れで変わったらしい▼
“女人善变似秋空”这句俗语是在秋天常被人提及的热门词汇之一,但它原本的说法貌似却是“男人善变似秋空”。在查阅各大辞典后不难发现,这句俗语最初说的确实是“男人”,只不过随着时代变迁而演化成了如今这样。
考えてみれば、むかしは夫が妻のもとを訪ねる通い婚であった。待ち人来たらずと泣かされたのは、多くは女性の側だったろう。〈忘れじのことの葉いかになりにけんたのめし暮(くれ)は秋風ぞ吹く〉宜秋門院丹後(ぎしゅうもんいんのたんご)。飽きという風が、忘れまいという誓いも吹き散らしていく▼
仔细想来,古代男女盛行走婚制,丈夫要离家去妻子那儿住。而不见久侯人,罗裙洒妆泪的往往是女方。诗人宜秋门院丹后和歌有云:“卿言无忘我,秋日泣西风。等闲变却故人心,空余无数恨,尽朽薄暮中。”薄幸郎的心好像一阵风儿,吹散了勿忘我的誓言。
空の移ろいがめまぐるしい季節になった。つい先日までは汗ばむほどの陽気だったのに、急に冷たい雨が降る。かと思うと、雲間から澄んだ日差しが届く。一日の中でも、くるくる天気が変わる▼
现在这个季节最爱变天。头几天还艳阳高照,晒得路人大汗淋漓,突然之间便泼下一盆冷雨。这边雨还未下多久,那边云彩缝儿里却又钻出了几束晴朗的阳光来。哪怕只一日之内,天气就能来回折腾个好几番。
運動会や遠足などで雲行きが気にかかるとき、インターネットのない時代は、頼れるのはテレビやラジオ、新聞が伝える天気予報だった。「ところにより雨」と出ていようものなら、最新情報で奇跡が起きていないかと電話に手を伸ばしたものだ▼
在没有网络的年代,举办运动会或远足等活动需要留意天气变化时,能依靠的便只有报纸、电视和收音机刊载、播报的天气预报。那时,要是预报“局部有雨”,大家还会去用座机电话收听最新消息,看看有没有奇迹发生。
受話器に耳を押し当て、「気象庁発表の……」という声に聴きいる。その177も来年3月末で廃止になるとか。スマホに「雨雲が近づいています」と通知が来る時代だ。利用者が急減しているという▼
人们把听筒凑到耳朵旁,全神贯注地听里面“气象厅发表……”的播报声。天气预报电话177将于明年3月底终止运营。如今,手机已经可以推送给用户“雨云正在接近”等消息,而拨打117热线的人数则不断暴跌。
時とともに、あれもこれも変わってゆく。だからこそ、こんな歌にほほえまされる。〈天気予報雨に変われど約束の延期はしないだって逢(あ)いたい〉笠井真理子。こちらは、男女とも変わらない心である。
时过境迁,沧海桑田,正因世间万物变化不断,我才会被笠井真理子的这首和歌吸引:“就算预报要下雨,约好出门也别拖。要问为什么?只因想你了。”在这首和歌里,男人女人都怀揣着不二的心。
单词解析
1.通い婚「かよいこん」
走婚制。夫妻不同居,丈夫每隔几日去妻子家住。
【例句】中国・瀘沽湖の母系社会、モソ族は家庭における男女の多くは通い婚によって関係を維持する。
2.飽き「あき」
厌烦,厌倦,腻,够。
【例句】この絵はいくら見ても飽きがこない。
3.移ろい「うつろい」
更迭,变化。
【例句】町を構成するものを、都市の移ろいを見せる指標として探索する。
4.汗ばむ「あせばむ」
出汗、冒汗,汗津津。
【例句】今日は本当に暑いね,ちょっと歩くと汗ばんできた。
5.雲行き「くもゆき」
云移动情况;发展前途,前景;形势。
【例句】雲行きは悪くなるばかりだ。
6.廃止「はいし」
废止,废除,作废。
【例句】日本では額面株は2001年に廃止された。
【翻译心得】
原文:忘れじのことの葉いかになりにけんたのめし暮(くれ)は秋風ぞ吹く
译文:卿言无忘我,秋日泣西风。等闲变却故人心,空余无数恨,尽朽薄暮中。
分析:这首和歌的现代日语翻译如下:「忘れない」との言葉は、どうなってしまったのだろう。期待していた今日の夕暮は、秋風が吹いているばかり。あの人の心にも「飽き風」が吹いて、約束の言葉を散らしてしまったのか。
【背景知识】
「女心と秋の空」と「男心と秋の空」 元々はどっち?
低気圧と高気圧が日本の上空を交互に通るため、お天気が変わりやすいのは秋の特徴で、これを変わりやすい人の心になぞらえ、「男心と秋の空」「女心と秋の空」というようになりました。
もともとは「男心と秋の空」です。男性の変わりやすい心を例えていますが、主に女性に対する愛情が変わりやすいことをさしています。
「男心と秋の空」のことわざができたのは江戸時代。当時は既婚女性の浮気は命を落とすほどの重罪でしたが、既婚男性の浮気には寛大だったこともあり、移り気なのはもっぱら男性だったのです。
それ以前の和歌でも男心は移ろいやすいものとして扱われ、室町時代の狂言『墨塗』に「男心と秋の空は一夜にして七度変わる」という有名なセリフがあります。
では、「女心と秋の空」と言われるようになったのは、いつごろでしょう?
明治時代の尾崎紅葉の小説『三人妻』に「男心と秋の空」がでてきますが、「欧羅巴の諺に女心と冬日和といえり」と続きます。おそらくこれは、イギリスの「A woman’s mind and winter wind change often」(女心と冬の風)ということわざのことで、強風や弱風に変化しやすい冬の風を女心にたとえたもの。この頃から変化の兆しがみえてきます。
その後、大正時代に入ってから、西洋文化の影響で女性が素直に意思表示できるようになったこともあり、この頃から「女心と秋の空」とも言われるようになりますが、愛情に限らず、喜怒哀楽の感情の起伏が激しいことや物事に対して移り気なことを示しており、男心とは少しニュアンスが違うようです。
昭和に入って徐々に「女心と秋の空」も定着していきますが、あの『広辞苑』に初めて掲載されたのは1998年の第5版。つい最近のことなんですね。今でもほとんどの辞書では「秋の空」の説明は「男心と秋の空」がメインにされており、「女心と秋の空」が載っていない辞書も多いのです。