1年という時間が過ぎるのは早いか、遅いか。その人によって感じ方は大きく異なるに違いない。旧ジャニーズ事務所が、ジャニー喜多川氏による性加害の事実を認めたのは去年の9月だった。それから、もう1年か、いや、まだ、やっと1年か▼
一年的光阴是如白驹过隙,亦或度日如年?每个人的感受肯定大不相同。去年9月,原杰尼斯事务所承认前社长杰尼·喜多川性侵事实。丑闻曝光后已经一年。哦不,也许有人觉得这一年稍纵即逝;有人却觉得终于熬过这一年。
きのうNHKが、旧ジャニーズのタレントらの番組 起用 を再開すると発表した。総合的な判断だそうだ。テレビ東京も先日、再開方針を明らかにしている。歯車が 動き出す 音がどこからか聞こえてくるようだ▼
昨天NHK发表消息称,将重新起用原杰尼斯艺人出演节目。听闻是经过综合判断才有了这一决定。东京电视台日前也表示要邀请原杰尼斯艺人参演。我好像能听到某处传来命运齿轮重新转动的声音。
この1年で、被害の申告は1千人に上った。うち510人が補償内容に合意したという。事件の異様さに改めて驚く。何十年も、じっと深い傷の痛みに耐えてきた人たちを思うと、言葉をなくす▼
在过去的一年里,报案人数超过了1000人。其中510人同意赔偿内容。我再次震惊于此事的严重性,简直令人发指。一想到几十年来默默忍受伤痛的受害者,我只觉语塞词穷。
疑問は依然として、消えない。実態解明は 道半ば である。どれだけ被害者のことを考えた対応をしているのか。再発防止策は十分なのか。いくつものなぜに、旧ジャニーズ側は具体的に答えようとしていない▼
疑惑未解。真相未明。事务所回应事件时是否做到设身处地,为受害者着想?防范措施是否充分?对于一连串的问题,原杰尼斯事务所却选择了含糊其辞。
被害者や家族はいまも、苦しんでいる。「 誹謗(ひぼう)中傷 がひどくて。何とか生きてきたというのが正直なところです」。先週、記者会見したアイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さんは、 絞り出す ような声で言った▼
受害者及其家属仍深陷痛苦。上周,原“忍者”组合成员志贺泰伸在记者招待会上,哽咽地控诉说:“对我的中伤诋毁充斥着恶意。说实话,我过得很煎熬。”
1年が過ぎ、私たちの社会は何か変わっただろうか。傷つきながらも、声を上げられずにいる人の存在に気づき、痛みを感じとれる社会に近づいているだろうか。そんな問いを一人つぶやき、首を振る。今年の紅白歌合戦を、私は楽しめないかもしれない。
一年过去了,我们的社会发生了什么变化?当今社会,能发现有人受伤后却饮泣吞声,对他们的苦楚感同身受吗?我低声自问,然后摇了摇头。哎,我可能没有心情去享受今年的红白歌会了。
单词解析
1.起用「きよう」
起用;任用。
【例句】新人を主役に起用する。
2.動き出す「うごきだす」
开始行动、启动。
【例句】夢が動き出す時。
3.道半ば「みちなかば」
走到半途。常用于表现目标尚未达成。
【例句】改革はまだ道半ば。
4.誹謗中傷「ひぼうちゅうしょう」
指的是传播没有根据的诋毁,伤害他人的行为。
【例句】誹謗中傷は、個人の尊厳を傷つける行為なので絶対にしてはならない。
5.絞り出す「しぼりだす」
拧出,挤出,榨出。
【例句】海綿から水を絞り出す。
【翻译心得】
原文:それから、もう1年か、いや、まだ、やっと1年か。
译文:丑闻曝光后已经一年。哦不,也许有人觉得这一年稍纵即逝;有人却觉得终于熬过这一年。
分析:原文描述得非常隐晦,省略了很多信息,在翻译时都需补充完整以便读者理解。首先联系上文可知,这里的“それ”是指喜多川性侵事件,为增加表述多样性,译者处理为“丑闻曝光”。然后需要注意“もう”“まだ”“やっと”等副词,这三处描写都是对客观时间“一年”的主观感受,所以翻译时需要注意感情色彩。译者处理为“稍纵即逝”和“熬过”。
【背景知识】
ジャニーズ性被害告発した元タレント “問題風化させないで”
去年、旧ジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏の性加害を認めて謝罪した会見から1年が過ぎたことを受け、性被害を告発した元所属タレントたちが都内で会見を開き、「問題を風化させないでほしい」と訴えました。
9日、日本記者クラブで開かれた会見に出席したのは、旧ジャニーズ事務所の元所属タレントで被害を告発した志賀泰伸さんと長渡康二さん、中村一也さんの3人です。
志賀さんは「旧ジャニーズ性加害問題は風化の一途をたどっている。未来ある子どもたちを守るために声を上げ続ける」としたうえで、旧ジャニーズ事務所から社名を変更した「SMILE-UP.」の対応について、「去年10月以降、会見を行うと言いながら行わず説明がないのは不誠実だ。『補償した』で終わりではなく、全容解明がなければ再発防止につながらない」と述べました。
長渡さんは「この問題が放置されれば、僕たちの声が将来の皆さんのお子さんの声にもなりうる。被害者は補償金を受け取れば心が癒えるわけではなく、それを放置したままで幕引きさせてはいけない。まだ被害を申告しようか迷っている人はいる。長い目で見て被害者の声を聞いてほしい」と訴えました。
また会見では性被害を告発したあとひぼう中傷を受け、去年10月に亡くなった男性の妻の手紙が読み上げられ、「東山社長とはお会いしたことも謝罪を受けたこともありません。海外からしか問題が伝えられず、日本に報道機関はないのかとおかしく思います。幾重にも問題がたちはだかり道を塞がれたことに苦しみ、夫も家族も心ないひぼう中傷にあってきたが、少しでも未来の子どもたちが過ごしやすい世の中になるよう願っています」などとつづられていました。
一年的光阴是如白驹过隙,亦或度日如年?每个人的感受肯定大不相同。去年9月,原杰尼斯事务所承认前社长杰尼·喜多川性侵事实。丑闻曝光后已经一年。哦不,也许有人觉得这一年稍纵即逝;有人却觉得终于熬过这一年。
きのうNHKが、旧ジャニーズのタレントらの番組 起用 を再開すると発表した。総合的な判断だそうだ。テレビ東京も先日、再開方針を明らかにしている。歯車が 動き出す 音がどこからか聞こえてくるようだ▼
昨天NHK发表消息称,将重新起用原杰尼斯艺人出演节目。听闻是经过综合判断才有了这一决定。东京电视台日前也表示要邀请原杰尼斯艺人参演。我好像能听到某处传来命运齿轮重新转动的声音。
この1年で、被害の申告は1千人に上った。うち510人が補償内容に合意したという。事件の異様さに改めて驚く。何十年も、じっと深い傷の痛みに耐えてきた人たちを思うと、言葉をなくす▼
在过去的一年里,报案人数超过了1000人。其中510人同意赔偿内容。我再次震惊于此事的严重性,简直令人发指。一想到几十年来默默忍受伤痛的受害者,我只觉语塞词穷。
疑問は依然として、消えない。実態解明は 道半ば である。どれだけ被害者のことを考えた対応をしているのか。再発防止策は十分なのか。いくつものなぜに、旧ジャニーズ側は具体的に答えようとしていない▼
疑惑未解。真相未明。事务所回应事件时是否做到设身处地,为受害者着想?防范措施是否充分?对于一连串的问题,原杰尼斯事务所却选择了含糊其辞。
被害者や家族はいまも、苦しんでいる。「 誹謗(ひぼう)中傷 がひどくて。何とか生きてきたというのが正直なところです」。先週、記者会見したアイドルグループ「忍者」元メンバーの志賀泰伸さんは、 絞り出す ような声で言った▼
受害者及其家属仍深陷痛苦。上周,原“忍者”组合成员志贺泰伸在记者招待会上,哽咽地控诉说:“对我的中伤诋毁充斥着恶意。说实话,我过得很煎熬。”
1年が過ぎ、私たちの社会は何か変わっただろうか。傷つきながらも、声を上げられずにいる人の存在に気づき、痛みを感じとれる社会に近づいているだろうか。そんな問いを一人つぶやき、首を振る。今年の紅白歌合戦を、私は楽しめないかもしれない。
一年过去了,我们的社会发生了什么变化?当今社会,能发现有人受伤后却饮泣吞声,对他们的苦楚感同身受吗?我低声自问,然后摇了摇头。哎,我可能没有心情去享受今年的红白歌会了。
单词解析
1.起用「きよう」
起用;任用。
【例句】新人を主役に起用する。
2.動き出す「うごきだす」
开始行动、启动。
【例句】夢が動き出す時。
3.道半ば「みちなかば」
走到半途。常用于表现目标尚未达成。
【例句】改革はまだ道半ば。
4.誹謗中傷「ひぼうちゅうしょう」
指的是传播没有根据的诋毁,伤害他人的行为。
【例句】誹謗中傷は、個人の尊厳を傷つける行為なので絶対にしてはならない。
5.絞り出す「しぼりだす」
拧出,挤出,榨出。
【例句】海綿から水を絞り出す。
【翻译心得】
原文:それから、もう1年か、いや、まだ、やっと1年か。
译文:丑闻曝光后已经一年。哦不,也许有人觉得这一年稍纵即逝;有人却觉得终于熬过这一年。
分析:原文描述得非常隐晦,省略了很多信息,在翻译时都需补充完整以便读者理解。首先联系上文可知,这里的“それ”是指喜多川性侵事件,为增加表述多样性,译者处理为“丑闻曝光”。然后需要注意“もう”“まだ”“やっと”等副词,这三处描写都是对客观时间“一年”的主观感受,所以翻译时需要注意感情色彩。译者处理为“稍纵即逝”和“熬过”。
【背景知识】
ジャニーズ性被害告発した元タレント “問題風化させないで”
去年、旧ジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏の性加害を認めて謝罪した会見から1年が過ぎたことを受け、性被害を告発した元所属タレントたちが都内で会見を開き、「問題を風化させないでほしい」と訴えました。
9日、日本記者クラブで開かれた会見に出席したのは、旧ジャニーズ事務所の元所属タレントで被害を告発した志賀泰伸さんと長渡康二さん、中村一也さんの3人です。
志賀さんは「旧ジャニーズ性加害問題は風化の一途をたどっている。未来ある子どもたちを守るために声を上げ続ける」としたうえで、旧ジャニーズ事務所から社名を変更した「SMILE-UP.」の対応について、「去年10月以降、会見を行うと言いながら行わず説明がないのは不誠実だ。『補償した』で終わりではなく、全容解明がなければ再発防止につながらない」と述べました。
長渡さんは「この問題が放置されれば、僕たちの声が将来の皆さんのお子さんの声にもなりうる。被害者は補償金を受け取れば心が癒えるわけではなく、それを放置したままで幕引きさせてはいけない。まだ被害を申告しようか迷っている人はいる。長い目で見て被害者の声を聞いてほしい」と訴えました。
また会見では性被害を告発したあとひぼう中傷を受け、去年10月に亡くなった男性の妻の手紙が読み上げられ、「東山社長とはお会いしたことも謝罪を受けたこともありません。海外からしか問題が伝えられず、日本に報道機関はないのかとおかしく思います。幾重にも問題がたちはだかり道を塞がれたことに苦しみ、夫も家族も心ないひぼう中傷にあってきたが、少しでも未来の子どもたちが過ごしやすい世の中になるよう願っています」などとつづられていました。